抄読会での英語論文の攻略法|DeepL

DeepL 大学院生

こんにちは。

皮膚科Dr!ちびです。

今回は、英語が苦手な人向けの、抄読会での英語論文の攻略法について、私のやり方を解説します。

私は、国立大学医学部に合格しており、受験英語はそれなりに自信がありました。TOEICの点数もそこそこ良かったです。学部生時代はAEONに通って、英会話も少したしなみました。それでも英語論文は読めません。具体的には、日本語訳は頑張ればできるのですが、頭に内容が入ってこない感覚です。そして、自分がした日本語訳にも自信が持てません。

大学院生になって1年半は頑張って英語を読んでいたのですが、今は潔く諦めています。英語はツールであって、目的ではありません。子どもが生まれてから特に思うのですが、英語と格闘している時間があれば、書かれている内容の理解に時間を費やした方が効率的です。

ちび
ちび

もちろん英語を英語として読んで内容まで理解できるのがベストです。それは独身時代・学部生時代にもっと練習すればよかったなぁと思います。

今回は、あくまでも英語が苦手な人向けの、英語論文の攻略法です。私はこれでラボの抄読会も乗り切っています。(英単語を少し調べるだけで内容を理解できるタイプの人は、この方法は不要です。)

1.論文の選定(アブストラクトの流し読み)
2.フィギュアの注釈の和訳
3.論文全体の全日本語訳
4.参考文献のアブストラクト流し読み
5.参考文献の必要なフィギュアの理解
6.まとめ

1.論文の選定(アブストラクトの流し読み)

ラボによっては、ジャーナルが指定されていることもあるでしょう。基本的には発表されて1年以内の、インパクトファクター高め(10以上)であれば、文句は言われません。ただ、ほかの人の勉強になるような内容がいいので、主要ジャーナルの、診療科や研究内容と関連のある内容が好ましいです。私はGoogle Scholarキーワードを入れて、期間指定(1年以内)として検索上位のうち、主要ジャーナルのものの中から選びます。

この時点で10個以内に絞れているので、全てとりあえずクリックして、題名とアブストラクトを読みます。私はMicrosoft Edgeというブラウザーで見ていますが、”Simple Translate”という拡張機能を入れています。これで、英語のHPは何もせずとも自然に和訳されて表示されます。ただ、専門用語の和訳は不自然な点が多いので、あくまでも”流し読み”に適しています。この機能を用いて、題名とアブストラクトの意味を日本語で理解します。そして、最も興味のある論文を1つ選びます。

2.フィギュアの注釈の和訳

1つ選んだ論文はしっかり読み込む必要があります。まずは抄読会でのメインとなる、フィギュアの理解です。注釈が載っているので、これを”DeepL”という無料翻訳アプリにコピー&ペーストして完全和訳します。この和訳をもとに、フィギュアの意味を理解します。

DeepLは専門用語でも自然な和訳ができるので重宝しています。無料版では1度に5000文字が翻訳できます。5000文字でもほんの数秒で翻訳してくれるのでありがたいです。なお、PDFファイルで文字列を選んでコピー&ペーストすると、変なところで改行扱いになって、訳がおかしくなります。なので、HP上の文字列を選びます。

3. 論文全体の全日本語訳

ここからは20分~30分かけてひたすら、論文全体をパラグラフごとにDeepLにコピー&ペーストして、全和訳を作成します。DeepLで和訳されたものは、DeepL上の”コピー”コマンドをクリックするだけでコピーされ、Wordファイルなどに貼り付けることができます。単調作業なので集中すればそのうち終わります。英単語の意味を考えて…、文法も考えて…、という時間を考えると非常に効率的です。

Supplementも全て和訳します。もう元の英語論文には戻らない覚悟で全てDeepLで和訳します。

和訳したものを日本語として読んで、意味が理解しにくい箇所があれば、そこだけ英語に立ち戻って読解すればいいのです。DeepL上で日本語訳部分にカーソルをあてると、その1文が含まれる英文の色が変わって表示されます。なので、”この訳の部分の英語はどこかな?”と探す手間すら省けます。

4. 参考文献のアブストラクト流し読み

ここまでHP上で論文を読んでいるので、参考文献もクリックするだけでそのHPに飛びますよね。”Simple Translate”で日本語として題名とアブストラクトだけ読み流します。基本的にはアブストラクトだけなんとなく頭の片隅に入れておけば、抄読会での質問対策になります。

5. 参考文献の必要なフィギュアの理解

これはほとんど不要ですが、全日本語訳をしたものを読むと、”この参考文献は読んだ方がよさそう”、というものが大概1つ2つ見つかるものです。メソッドを引用していたり、逆の結果が出ていたりといったものです。これらに関しては、アブストラクトだけではなくて、言及されているフィギュアがあればDeepLでしっかり翻訳して理解したほうがいいです。

特に著者らの過去の発表論文などは要注意です。抄読会で”著者らはこんな方法で以前からやってるみたいです”と一言付け加えられたら、”よく読みこんでいるなぁ”という高評価につながります。

6.まとめ

私は全日本語訳とフィギュアをWordにコピペして、印刷ホッチキスで止めて、それを参考に、発表資料を作ります。どの部分にフォーカスをあてて説明すればよいのかは、日本語訳すると自然に見えてきます。ここから先の発表準備は、学会発表などを日常的にしている人にとってはそれほど苦にはならないでしょうね。

ちなみにDeepLでは”読み上げ機能”があります。やや不自然なイントネーションの部分はありますが、シャドウイングのように英語を読む練習もできます。私のラボはアブストラクトは英語のまま読む慣習なので、この読み上げ機能を利用して、読む練習をしています。

ちび
ちび

あってるか間違っているか分からないような、自分なりの日本語訳による理解よりも、よっぽど効率的ではないでしょうか?

なにか皆様のお役に立てる情報であれば幸いです。
皮膚科Dr!ちびでした。

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