ただ臨床医をやっていた頃の文献と言えば、MR(製薬会社の営業担当者)さんが渡してくれたり、病院の図書館にあるものをコピーしたり、たまにネットで検索してPDFファイルを自分のPCのフォルダーに保存したり、という感じでした。学会発表や症例報告の際にちょっと調べる程度なので、このような整理方法でもそんなに困りませんでした。
しかし、大学院生になると、過去の研究や自分の分野の最新情報を知るには論文しかなく、大量の論文と向き合うことになります。Excelの表で管理したり、などいろいろ考えましたが、やっぱり難しいです。なので私は文献管理ツールの1つ、”Mendeley”を使っています。
ちなみに、”○○大学、文献検索”と、ネットで検索するといろいろツールが紹介されていますよ。
1.文献管理ツールとは。
集めた文献情報を保存・整理するのに便利なアプリケーションです。文献リストを効率的に作成する機能も備わっており、論文作成支援ツールとも呼ばれます。
具体的には・・・、
Mendeley
EndNote basic、EndNote(製品版)
Papers
Zotero
いろいろありますね。どれを使うかは各自の好みかなと思います。
2.Mendeleyでできること。
〇研究のために集めた論文PDFや論文情報を一括管理できる
〇論文執筆時に、引用と同時に、論文末尾に引用文献リストを自動生成!手間がかかる番号管理もすべておまかせ
〇7000種類以上の学術雑誌の引用スタイルに対応
〇研究室などのグループでの文献の共有
これらは、論文を作成する際に地味に面倒な作業を、ある程度ストレスなくこなすのに重要かと思います。
Mendeleyには、PCにインストールして使う”デスクトップ版”と”Web版”を同期しながら使うため、どこからでも利用できます。iOS(iPad、iPhone)、Androidにも対応しています
公式HPに英語の解説動画がありますので、英語の得意な方は見てみてください。
3.Mendeleyの実際の画面
以下が私のPCに入っている、デスクトップ版のMendeleyの画面です。中央に論文がずらーっと並んでいます。著者名、タイトル、発行年、ジャーナル名、保存した日時が一覧になっています。
1つの論文を選択すると、右端にその論文の詳細が出てきます。一目で何の論文だったかが分かります。論文のPDFファイルをドラッグ&ドロップするだけで、これらすべての項目が自動で入力されます。
4.Mendeleyの容量。
無料版は容量2Gbまで入ります。まずこれで使用感を試してみましょう。機関版だと100GbまでOKです。
論文のサイズにもよりますが、だいたい論文のPDF1つあたり、1Mb~2Mbくらいでしょうか。Natureの長くてfigureのいっぱいあるものだと40Mbくらいですね。無料版でもまぁ100個くらいは文献が入ると思われます。
私は事前に無料版でアカウントを作成していました。作成した際のメールアドレスはフリーメールアドレスで、大学のドメインではありません。それでも、学内からアクセスすると自動的に機関版にアップグレードされました! 100Gbまで”自己負担ゼロ”で使えるので便利かなと思います(大学側が年額いくらか支払ってくれています)。機関版を採用している大学も増えてきているようなので、一度調べてみてはいかがでしょうか?
ちょっと調べた論文もきちんと整理して残しておいた方が、研究効率がいいですよね。PDFファイルのドラッグ&ドロップだけで論文の一覧が作れるのは感動です。
なにか皆様のお役に立てる情報であれば幸いです。
皮膚科Dr!ちびでした。
コメント