医者で大学院生になった場合|主な収入源 5項目

大学院生

こんにちは。

皮膚科Dr!ちびです。

前回(医者で大学院生になった場合|主な支出 5項目)の続きで、今度は医者で大学院生になった場合の、主な収入源についてお話しします。

私は某国立大学医学部卒で、初期研修医2年やって、出身大学の皮膚科医局に入局、数年いろんな研修病院で研鑽を積んで、大学院進学となりました。

いわゆるキャリアパスとして、”何年か医者を経験してから大学院進学”というのは、医師としてよくあるパターンです。

勤務医から大学院生になると、比較的、経済的に余裕のある生活から、転落するイメージです。私の場合は、大学院入学直前の確定申告の給与収入から4割ほどに落ち込みました。それでも一応贅沢さえしなければ生きていけるレベルなんで、まだ恵まれているなぁとは思います。

この収入源について1つずつ見ていきます。

1.所属大学病院での非常勤勤務
2.大学でのリサーチ・アシスタント
3.医局派遣の外勤先
4.医師派遣会社で探すバイト先
5.日本学術振興会の特別研究員
6.まとめ

1.所属大学病院での非常勤勤務

私は週5時間勤務の契約です。つまり週1(9時~14時)のみの契約です。ほかにも週〇時間勤務といった具合にいくつか選択肢があるようですが、研究に差しさわりがないように配慮されて週5時間となっているようです。なので、病棟業務いわゆる入院患者さんの主治医にはなりません。大学病院での外来のお手伝いができる程度。私は、外来の処置当番を週1回担当しています。要は、大学病院皮膚科の雑用係です。

給料はほぼ最低賃金なので、お小遣い程度な感覚です。大学での非常勤勤務をやめて、自分で探したバイト先で外来1コマやる方がよっぽど効果的に稼げます。

ただ、大学病院の、電子カルテを見ることができるのが大きいです。臨床検体を使って研究をするには、”大学病院での勤務医としての肩書”はあると確かに便利です。検体の患者背景は、自分で調べないといけませんし。研究に必要な同意書・検体も、自分で外来で患者様からとることができます。さらに、大学院生の間は病棟業務から離れるので、臨床の勘が鈍りがちです。常勤皮膚科医がいないような外勤先での診療は、できる検査が限られているため、結局すぐに紹介状を書きます。”この薬で効果なければ紹介”と、ロボットのようにやってしまいがちです。なので、大学病院ならではの高度な医療、鑑別診断について考える機会が週1回でもあるとだいぶ違いますね。

2.大学でのリサーチ・アシスタント

大学院生は、大学の各研究室の研究の一翼を担っている形になるので、教授の推薦があれば、大学から非常勤の学生アルバイトとしてのお給料が出ます。この時給は大学病院の勤務よりもやや高めの設定です。1年間にMAX何時間勤務できるか、規定があります。上限まで勤務していると、授業料はこれで完全に賄えます。ほかにも、ティーチング・アシスタントなどの制度もあります。大学によって差異はあるものの、何かしらのお給料制度はあるかもしれませんので、所属の医局とよく相談してみてください。

3.医局派遣の外勤先

所属大学医局からの斡旋で週2回程度、近隣の病院やクリニックでの外来診療の枠をもらえます。具体的には、午前診の場合は、朝、自宅から外勤先に直接行き、診療終了後、外勤先から大学に向かいます。夕診の場合は、朝から大学に行き、夕診に間に合うように、大学を出発し、診療を終えてから、自宅に直帰します。当直の場合は、朝から大学、当直開始時間に間に合うように、大学を出発し、当直先の病院で一晩を過ごし、当直明けにまた大学に向かう、という感じです。というわけで、大学から近い外勤先が好まれます

外勤先は、規定時間通りに診療を終えるのが鉄則です。延長分の給料は出るところもあれば出ないところもあります。時間通りに終えられるように、外来患者数を絞ったり、常勤皮膚科医がいる病院では、残りの患者は常勤医が診療したりします。土曜日のクリニックでの診療は1~2時間延長しがちですが、最初から延長分も込みの給料だそうです。

マージンをとるような仲介会社を経由しないので、まだ1回あたりの給与は高めの設定です。医療過疎な場所ならさらに給与は上がりますが、移動時間が長くなったりで、正味の拘束時間で割るとそれほど変わりません。

4.医師派遣会社で探すバイト先

民間医局、m3、MRT、日経メディカルキャリアなど、巷には、様々な医師派遣会社が存在します。詳細は各自検索してみてください。登録は無料、バイト探し自体も無料なので、登録だけはしておいても良いかもしれませんね。登録する際に、担当エージェントとの面談が必要な会社もあります。メールでのやり取り、LINEでのやりとりなど、仲介方法は様々です。仲介手数料は派遣先の病院・クリニックが負担するので、こちらは提示されたお給料で単に働くだけです。スポットバイト、特に健診案件は多いですね。

5.日本学術振興会の特別研究員

申請して採用されれば、月額20万円を2~3年間(申請時の年次によって異なる)支給されます。ただし、申請書類がややこしく、結構狭き門のようです。私は申請期間にちょうどひどい悪阻だったので、申請すらしていません。というか、”誰でもとりあえず申請だけはしてみる”、ということを知りませんでした。直属の指導教官が全く教えてくれませんでした…。

とにかく月20万円は大きいですね。外勤や自分で探すバイトの時間を少なくできて、自分の研究に専念できます。

5.まとめ

要は、寸暇を惜しんで働けば働くほど、給料は増えていきます。法律上はバイトし放題ですよね。しかし、本業の研究スケジュールと合わせると、日曜に自分で探したバイトをやるくらいでいっぱいいっぱいです。研究が進む大学ってたぶん、日本学術振興会の特別研究員になれるように、指導教官が申請書類の指南をしてくれたり、医局斡旋の外勤先の給料が高いんでしょうね(私見です)。その分、研究活動に専念できますから。

大学院生をしていて痛感するのは、研究に専念するには当面の生活費の保障が最優先だということ! せめて大学へのアクセスが良く割のいい外勤先を(大学スタッフの医師ではなくて!)院生に優先してくれるような医局になってほしいものです。

ちび
ちび

私は”実家からの経済的な支援ゼロ、生活費は旦那と折半、娘1人”という生活環境なので、お金にはシビアに生きています。逆に、”実家暮らしで授業料は親が払っている”場合は特に何も考えなくていいと思いますよー(^▽^)/

なにか皆様のお役に立てる情報であれば幸いです。
皮膚科Dr!ちびでした。

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