何歳から自分で外用できるか?|アトピー性皮膚炎の子ども

お肌のトラブル

こんにちは。

皮膚科Dr!ちびです。

今回は、皮膚科医らしく、塗り薬を何歳から自分で外用できるのかについて私の経験をもとにお話しします。

お肌の病気は塗り薬で治療をすることが多いです。私自身、幼少期からアトピー性皮膚炎でいつも母にお風呂上りなどに塗ってもらっていました。1人暮らしをするようになってからは自分で塗っていますが、これがまた非常に面倒くさい。皮膚科医になってからも外用は面倒なので嫌です。しかし効果的に塗ると非常によく治るので、医者として患者さんに処方するのは好きです。

外勤先で子供のアトピーもよく見るのですが、何歳から自分で外用できるのか疑問に思っていました。そこで、アトピーっぽい皮膚症状の持ち主の娘ちゃんに試してみました。

ちび
ちび

もちろん、塗り薬が効かないタイプの皮膚症状もあるので、自己判断は禁物ですよ。

なお、今回の話は、”毎年繰り返す汗疹”や、”寛解増悪を繰り返すアトピー性皮膚炎”の人が、”医療機関に処方された外用薬を塗る”ときのことを想定しています。

1.アトピーの子供を持つご両親の困りごと
2.子供が自分で外用するメリット
3.娘ちゃんの場合
4.まとめ

1.アトピーの子供を持つご両親の困りごと

以前の常勤勤務先では、中等症~重症の小児アトピー性皮膚炎を多く診ていたので、そのご両親ともお話しする機会がたくさんありました。当時独身で子供なしだった私に、患者さんご家族がいろいろ教えてくださいました。

”乳幼児はお風呂上りに走り回るので服を着せるだけで精一杯だ”とか、”寝る前は寝かしつけて自分も寝落ちしてしまうから塗るのを忘れる”とか、”朝はバタバタしすぎて塗るタイミングがない”とか。小学校後半になると、”思春期に入り親には塗らせてくれない”とか。中学校に入ると”部活が忙しくてそもそも皮膚科を受診できない”とか。なので、可能ならもはや子ども自身に塗ってもらった方がいいのではないかという考えに至りました。

2.子供が自分で外用するメリット

子供自身が、自分の肌をよく観察するようになります。”ここが新しく湿疹ができた””ここは毎日塗っていて治ってきた”など。自分の病気なんですから、自分で理解するのが当たり前ですよね。自分で塗ってもらって、ちゃんと塗れたかを親が確認するのが楽です。幼少期からの習慣にしてしまえばいいんです。

また、子どもは自分ではざらざらや痒い場所は本能的に分かっていますが、見た目では肌のざらざらやかゆみの度合いは分かりにくいです。親が子どもの肌を全身くまなく触るのは思った以上に大変です。なので、必要な場所に適切に外用できていない可能性があります。これも子供が自分で外用すれば解決しますよね。

なお、私は小学校低学年までの子どもに塗ってもらいたいときは、保湿剤と1対1で混ぜた混合軟膏を容器に入れて処方しています。チューブだと”蓋を開ける⇒軟膏を適量押し出す⇒指に軟膏をつける⇒それを皮疹部に塗る⇒チューブの蓋を閉める”という、かなり高度な技術を要します。使い切るころになると、軟膏を押し出しにくくなります。こんな面倒なこと、あまりやってくれません。混合軟膏を容器に入れるやり方では、親が蓋を開けてあげ、子どもは”軟膏を指にとって皮疹部に塗るだけ”です。塗り終わったら、親に蓋を閉めてもらえばいいのです。

3.娘ちゃんの場合

1歳7か月頃から、かゆい場所・塗ってほしい場所を”ここ!”と指さしてくれるようになりました。赤くもないしかさぶたにもなってないし…という場所も指さしてきます。”嘘だろ?”と思って触ってみると、”確かにざらざらして痒そう!”なんです。そして塗ってあげると、満足そうにほかの遊びに熱中してくれます。

我が家では、毎日お風呂上りに一緒に塗っています。寝る直前にもかゆくなるようで、追加して塗っています。たまに”あっ!あっ!(訳:自分で塗るので軟膏ください)”と言って、軟膏を指さすことがあるので、顔についても大丈夫そうなアズノール軟膏の容器を渡しています。つけ終わったら蓋をかぶせてくれます。

4.まとめ

どこに塗ればよいのかは根気強く教えれば1歳後半から理解してくれるようです。なので、診察時にも3歳以上では、”ざらざらしている所や痒い所を、お父さん・お母さんに教えてあげてね”と子ども自身に説明しています。”ざらざらってこんな所”というのもその場で肌を触って教えています。そして、ご両親には看護師さんから外用指導をしてもらいます。小学生以上になると本人にも外用指導をします。意外と子ども自身で塗れますよ。塗りにくいところだけ手伝ってあげてください。

ちび
ちび

娘ちゃんには自分でやらせすぎかもしれませんが、娘ちゃん自身も満足そうに塗っているので良しとします。

なにか皆様のお役に立てる情報であれば幸いです。
皮膚科Dr!ちびでした。

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